午後一番は男子高校生のマルチブラケットを撤去した。
装置を付けてから撤去までの期間は2年6ヶ月。
現在の状態を患者さんは不満を言っていないが歯列咬合は我々の仕上げ感覚ではとても満足できるものではない。
最近の来院は3ヶ月前、その時はもう少し良かったので近日中にはずそうと言ったのが今日となる。
このようなことが二年半続いた。当然口腔内の管理はできていなく汚れはひどくとてもひどい歯肉炎だった。
幸い、う蝕にはなりにくいようで、あれだけ悪い環境でう蝕にはならなかった。
そんな状況では最近の患者さんに付けている固定式リテーナーなどは付けられない。
今日は装置を撤去して簡単な資料を採りクリアリテーナを製作した。
通常、固定式リテーナーを付けない場合のクリアリテーナーは終日使用にする。
しかし、あの口腔内環境に終日つけたらひどいことになりそうだし、紛失も心配となる。
それなら歯磨して寝ているときだけのほうがまだ良いと判断した。
装置をはずした後クリアリテーナーを作るまで待合室で待っている間、明るい表情になっていたと受付スタッフが言っていた。
よほど治療がいやだったんだろうなと推察する。
仕上がりは不十分だったが、これでお互いがホッとしているということだろう。