今日の最後の診療で15才男子の右下智歯の抜歯依頼書を書いた。
この患者さんは、2015年に治療を引き継ぎ短期間で終了、その後保定を経て終了扱いになっていた。
引き継いだ時や動的治療終了時には右下7の傾斜が気になり指摘はしていた。
しかし、そのまま終了とした。最近、親知らずが出てきたとの連絡があり診せてもらった。
そうすると、気にしていたことの悪い方、右下7は近心傾斜がひどくなり、その上にのしかかるように右下8は出てきた。
最近このようなケースが多くなってきているように思う。
相談に来た前々日にあった湘南矯正歯科研究会でまさにそれが両側に起こったケースは発表されていた。
そのケースでは智歯ではなく第2大臼歯(7番)が両側とも抜かれていた。
このケースでは智歯を抜くことにしたが、その際、何もしないで観察していくか、すぐに牽引誘導するか決めかねていた。
そこで、パノラマX線写真では分かりにくい立体構造を見るためCT像が必要となった。
CTの撮影ができるレントゲン機は普通の歯科医院にも普及が始まっている。
しかし当クリニックにはまだ無い。そこで抜歯を依頼する予定の静岡医療センターに撮影をお願いした。
今日はその画像をもとに患者さんに説明した。
CTの輪切り像だけで立体を説明するのは難しい。
外科併用手術のために購入したソフト、ドルフィンでは立体に合成して分かりやすく見せることができる。
それを使って、患者さんの両親と本人に説明した。
立体像をくるくる回転させながらの説明は特に父親が興味を持っていたようだ。
結局、第2大臼歯は頰側にあり、その上の多くの骨はなさそうだったので、智歯抜歯のみで出てくることに期待した。
このようにCTは役に立つ。現在パノラマX線写真がどこの歯科医院にもあるようにCTも近い将来そうなるだろう。
当クリニックに入るのはいつかなと思いながら導入の時期を見計らっている。