20代女性のマルチブラケットでの治療が3年かかり今日撤去した。
主訴は口元が出ている上顎前突だった。
バイトが深く、下顎下縁平面角、下顎角は極端に小さいタイプの顔つきだった。
前歯はそれ程唇側傾斜しているわけではないので抜歯してもどれだけ口元がさがるか分からない。
そこで診断前に顎変形症として口腔外科へ相談に行ってもらった。
だが、説明を聞いても矯正治療のみでの治療を希望した。
それならばと上顎のみを抜歯してマルチブラケットでの治療を開始した。
意外に早くオーバージェットは減少したが、口元は十分後退しないし上顎の抜歯スペースが残っている。
そこで下顎の両側第2小臼歯の抜歯をすることにした。
治療期間が延びることも了解してもらった。3年までは良いと返事をいただいた。
それから上下顎の抜歯スペースを閉鎖しながら口元の後退を図った。
なかなかバイトが挙がらない。そしてホワイトワイヤーを使っていたのだが頻繁に折れる。
それだけ咬合が強く歯ぎしりをしたのだろう。
そんなことで期間は長引き3年が経過した。
なんとかバイトは挙り、抜歯スペースも閉鎖した。
正中は合わなかったが、了解してもらった。
今日、装置はずして資料を採ったが口元はさがり口唇閉鎖は最初とても閉じにくかった値が正常値となっていた。
当クリニックでは3年間の治療期間がかかっている患者さんは非常に少ない。
でも、なんとかよい結果を出せてホッとしている。