オーバージェットが大きく下顎に叢生が少ないと上顎のみの左右第一小臼歯抜歯を時々選択する。
かなり大きいオーバージェットでもほぼ適切なオーバージェットまでの減少が実現可能で治療期間も短い。
しかし、オーバージェットが大きいものの極端に大きくないものに適用すると抜歯スペースが余る。
今日の20代女性がその様な状態だった。
診断時には上顎左右第一小臼歯、下顎左右第2小臼歯と決めて提案した。
しかし患者さんから下顎は抜かなくても良いのではないかと言われた。
下顎に全く叢生がなくある程度オーバージェットが大きかったので。その案を了解して始めた。
現在4ヶ月ほど治療が進行した。まだオーバージェットは5㎜ほどあるが、抜歯スペースもかなりある。
このままでは適切なオーバーバイトになってもけっこう抜歯スペースが余る。
その際、上顎臼歯を前方に移動させるかまたは下顎の第2小臼歯の追加抜歯を提案する。
どちらも行ったことはあるが、途中での治療方針変更には抵抗がある。
だから最近では診断時にその様な可能性を伝えておくことにしている。
今回のケースでも最初は下顎第2小臼歯抜歯を提案している。
だから早めに現状を説明しておいた。
方針変換は早い時期の方が治療期間が延びずにすむ。
初診時によく抜歯について聞かれる。
その答えは「抜くか抜かないか、どの部位を抜くかは大事な診断で初診時では正確には答えられない」という。
すなわち診断後でもこのようなことがあるのだから。