矯正治療後、特に大人の矯正治療後にはブラックトライアングルと呼ばれる歯肉の退縮が起こる。
それはやむを得ないこととされている。しかし、気になる患者さんは多い、また術者側でも好ましいとは思っていない。
だから成人の矯正相談の時には写真をみせてかならず説明している。
今日は40代女性の動的治療終了の1ヶ月後、保定診断ということで結果をふり帰ってみた。
治療期間は1年11ヶ月、正中一致、両側臼歯関係良好、歯列に叢生などなく良い結果だったと思う。
しかし、ブラックトライアングルは上下顎の前歯にはっきりと現れていた。
最初に説明してあったから特に問題にはならないが、その席で歯肉の退縮については説明した。
そして、保定診断が終わった後にはアンケートに協力してもらう。
そこには良い評価をしてくれた項目がいくつもあった。
しかし満足度を5段階で評価してもらうのだが4であった。
その理由は説明は聞いていたがブラックトライアングルがその少しの不満だった。
最近、中年の矯正の相談は多くなり治療する比率も高くなっている。
前から言われている「歯は年齢に関係なく動き、いつでも矯正はできる。」に抵抗を感じている。
矯正治療にふさわしい年齢はやはり若年者だと思う。
ブラックトライアングルがやむを得ないで矯正治療が終わってよいものだろうか。