10代前半の男子の診断を行った。
骨格的には特に問題なく、上顎の前歯部の空隙が主訴だった。
ややバイトが深く、下顎前歯に軽度な叢生があった。
やや口元は出ているものの口唇閉鎖機能には問題なかった。
ここで考えられる治療は
①上顎が2本足りないのだから下顎も2本抜歯する。
②上顎の側切歯のスペースを確保して補綴する。
③抜歯も補綴もせずに、そのまま上顎前訴の隙間を閉鎖してしまう。
3案が考えられるが、③を選んだ。
これでまとめてしまうことが一番簡単だと思われた。
簡単であれば、治療期間は短くて済むし、それに伴う費用も少なくなる。
結果がそんなに悪くなければ、できるだけ負担が少ない治療方法を選びたい。
この方法を提示したら、抜かれなくて良かったと患者さん(子供)は大喜びしていた。
でもこの方法では中切歯の横に犬歯が来る。
そのときの審美性、通常の犬歯の位置に第一小臼歯を排列、大臼歯の咬合関係など配慮しなければならない。
そんなことを考えながらもできるだけ短期間で治療を終えたい。