1年3ヶ月ほど前からマルチブラケット治療を行っている二十代女性の患者さんが来院した。
この患者さんは東南アジアの国で八重歯の治療を非抜歯で受けている。
その結果上顎前突となり、その改善を望んで治療を始めた。
上顎は左右第一小臼歯を抜歯して開始したが、下顎は右側6,左側6,7欠損だった。
その治療は望んでいなかったが、上顎を進めている間に下顎も出来るだけのことをすることになった。
右側は第一大臼歯のスペースが少なかったので閉鎖が可能だが、左側は大臼歯2歯分のスペースはとても大きい。
両側とも智歯は十分に萌出していなかった。
特に左側はなんとかチューブを貼り付けても脱落したり歯肉炎になったりしてしばらくあきらめていた。
今日見ると左の智歯は歯冠が全体的にでていてチューブもしっかり接着していた。
そこでクロージングアーチを曲げるのだが、上手く曲げないと頰粘膜を傷つけてしまう。
今までになんどか急患来院している。その経験を踏まえて今日は時間をかけてうまく曲げることができた。
そんなことをしてもなかなか智歯は近心に移動しないことは分かっている。
そこをなんとかブリッジが作製できるくらいの間隔にできないかと考えている。
でも上顎の抜歯スペースが閉鎖するまでの期間ぐらいしかできないと思う。
あと半年くらいでどこまで問題解決できるか、がんばってみよう。