近隣の矯正専門の歯科医院からの紹介で顎変形症の患者さんが来院した。
その患者さんは高校卒業直前の男子だった。
初診で診ると明らかに顎変形症で手術併用の矯正のことも理解していた。
一通りの説明の中で、健康保険でできる。子供医療が高校生まで1回500円の地域にお住まいだった。
高校卒業までにはあと2か月を割っている。
矯正治療は2年ほどかかる。だから高校生でいるうちに仕上がるわけがない。
しかし保険治療は治療したその行為や材料につき何点ということになっている。
それならば、3月中に検査、診断、さらには装置装着まで済ませてられないかと考えた。
そうすれば、初期段階の費用がかかる処置は終わってしまう。
男子は他のケースでも成長が終わるのが遅いため顎変形症治療を高校中に終わらせることはできない。
でも、術前矯正を進めておくことはできるし、そんなケースが増えている。
このケースは反対咬合と顎の偏位であり叢生はないので、抜歯はしなくて術前矯正は短いとみている。
もっと早く相談に来ていればよかったのに、と思う一方で今できる負担軽減をできるだけしようと提案した。
ちょっと日程的には苦しいが、受験は終わり、学校には行っていないそうだから、続けての来院も可能だろう。
できる限りのことはしたい。