10代後半の女性の診断を行った。
歯の大きさは標準的だが歯槽骨の幅がとても狭かった。
その結果、前歯部や臼歯部に叢生が見られ、臼歯部では鋏状咬合もみられた。
下顎智歯は両側とも完全に水平埋伏、上顎智歯も近心傾斜していた。
治療方針では上下顎左右側の小臼歯抜歯とした。
いつもは埋伏智歯は経過を見て問題になったら抜きましょうと言っている。
しかし、今日のケースでは智歯も抜歯して少しでも臼歯が遠心に動いて欲しい。
そこで、智歯まで含め8本の抜歯依頼をした。
智歯の抜歯について最近ではこんな説明をしている。
「静岡医療センターでは鎮静麻酔で意識のないうちに4本全て抜歯し1泊入院して終了」
患者さんはみんなこの方法で抜歯してくる。
ただ残念なことには小臼歯抜歯と同時にはやっていただけない。
直接、矯正治療に関係ない智歯は健康保険で抜歯してくれる。
しかし臼歯の便宜抜歯は自費となるので同日にやってもらえない。
保険と自費の区別が必要であることはわかるが、もっとうまくできないものかを思っている。