毎日の診療で気付いたこと

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あきらめていたゴム掛け

この患者さんの治療開始は10年ほど前。

非常に厳しい叢生で4本抜波しても並びきれない状態だった。

それでも何とか並べてほぼ終了となって保定観察していた。

治療中も協力が悪く、矯正治療は進行しない、齲蝕はひどくなる、とても困った。

保定になってからも協力は得られず、リラップスは起っても見ているだけだった。

高校の卒業時期が迫って、協力の得られない状態での再治療はしたくなかった。

だが、しっかり協力すると言ったので再治療を開始した。

やはり、想像したとおり、前より多少よいが協力は得られなかった。

前歯部の開咬に対してゴムの使用を指示しても結果は出ない。

そんなことを数ヶ月繰り返しほぼあきらめていた。

母親にもその状態での終了を了解してもらっていた。

そして、今日はもう前回と同様であきらめて装置撤去の準備をするべく見た。

なんと、開咬部は閉鎖して咬んでいる。あきらめていただけに驚いた。

やれば1カ月で効果があるのに、と怒るような、褒めるような口調となる。

それにつけてもゴム掛けは患者さんの努力にかかっている。

そこまで誘導するのは術者の仕事であろう。一言でやってくれる人ばかりではない。

治療について

 

 

 

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