第2乳臼歯の下で第2小臼歯の歯胚が遠心を向きながら形成されていくことがある。
第2乳臼歯の遠心根を吸収し、第一大臼歯の近心根に迫る。
ここで、第一大臼歯の歯根吸収が気になり出す。
第2乳臼歯を抜くべきか、さらに牽引誘導すべきか。
今日はそんな状態を6年ほど診てきた高校に入る男子の患者さんが来院した。
3年ほど前から半年に1回、パノラマを撮影して観察してきた。
両側とも同じような状況で、第1大臼歯の近心根の吸収が気がかりだった。
乳歯を抜歯し牽引誘導も考えたが、観察を続けた。
今日、診ると右は萌出している、左は第2乳臼歯が残る。
残っている左下第2乳臼歯根も吸収が進み、第一小臼歯は萌出の見込みがついている。
この例ではじっと待って観察し、なにもしなかったことが正解だった。
すべて、このようになるとは限らない。
とかく、何か治療を始めたくなるが、観察していくのも大切な治療と言ってもいいだろう。