今日最後は30代男性の顎変形症手術前の診断だった。
下顎が1歯分右側偏位いている開咬も症例だった。
左側犬歯が低位唇側転位していたが非抜歯で術前矯正を終えた。
いつものようにドルフィンに入れて分析してみる。
咬合や顔の変化を見ながら、上下顎を動かして適切な位置を定める。
そんな検討をしているときに、この症例は上顎を動かす必要がないかと考えるに至った。
ずっと前は手術と言いば下顎を離断するだけだった。
口腔外科医からの上顎離断の提案があっても抵抗があったくらいだ。
しかし、横浜労災病院で頻繁に上下顎離断の効果や問題のなさを実感した。
また、最近の静岡医療センターでも今までの10例以上すべて上下顎離断だった。
上顎にあわせて下顎を動かすだけのほうが単純に進められる。
それは上顎の位置が異常なしとみるか、異常でもそれに合わせる妥協かではないか。
まだ、下顎だけを切っている病院も多いらしい。
幸い上下顎を切ってくれる病院との連携ができて良かったと思っている。
それでも今回のように下顎だけですめば、術者も患者さんのらくになる。
それを、手術してくれる先生も了解していると患者さんに伝えたらホッとしているようだった。
上顎を切ってもらえることはあり難いが下顎だけですめばそれにこしたことはない。