叢生が厳しい上顎前突の2例の治療を行った。
いずれも抜歯だけでは排列スペースが足りず側方拡大している。
現段階でどちらも叢生は改善しているが、上顎前歯がかなり唇側傾斜している。
ふだんはあまり使わないが、今日は丸ワイヤーで唇側傾斜の改善をしようとした。
丸ワイヤーで2-3番の間にeループを曲げて、Ⅱ級ゴムを引く。
ワイヤーを遠心にすべらせながら前歯を舌側傾斜させる。
エッジワイズ法で教わってきた者の基本にはないかと思う。
だから通常はクロジングアーチ角ワイヤーで曲げ前歯の後退を図る。
でも、今回は丸ワイヤーと顎間ゴムの方が効きそうに感じた。
この辺りは理論というよりも経験による勘になってしまう。
これも臨床では必要かもしれない。