抜歯か非抜歯の診断は迷うことが多々ある。
今回のケースは上顎前歯の叢生、いわゆる八重歯だった。
半年余り前の再診断では、中程度程度の叢生で口元は出ていなかった。
だから余り迷わずに非抜歯でマルチブラケット治療を開始した。
半年余りのレベリングで叢生はほぼ改善した。
口元はそれ程出たわけではないが、オーバージェットが非抜歯では改善できる見込みがなかった。
加えてレントゲンを見ると下顎両側第2大臼歯が近心傾斜傾斜して埋伏しそうに見える。
迷わず、抜歯に切り替えて治療を進めることを提案した。
しかし、主訴である上顎前歯の叢生は改善している、下顎の両側第2大臼歯はまだはっきりしない。
料金は4期分割なので1期分しか払っていない。
そこで、ここで中止の案も提案の中に含めた。
もちろん十分に問題点は指摘して、考える期間も経て、きょう意向を聞いた。
ここで終了したいとのことだった。
残念だが、それに従った、今日の処置はそれを受けて上下顎前歯をフィックスドリテーナーを装着した。
次回撤去予定となり、それ以上の施術料はいただかないこととした。
ただ、これで完全に終わりでは専門医として気になるので半年ごとの観察とし
半年から1年に一度程度はレントゲンを撮影することにした。
再診断時に抜歯を提案しておけば良かったのかもしれないが、やってみないと分からないという面もある。