上顎前突が主訴の女子高生の診断を行った。
骨格的には大きな問題は無く、上顎前歯の唇側傾斜が著しかった。
加えて、水平的な開咬がある。
パノラマX線写真をみると、両側顎関節の関節頭が通常の形態をしていない。
特に左側には短く写っている。症状を聞くと開口障害も疼痛もないという。
症状がないとはいっても、この像をみると無視して矯正治療開始とはいえない。
顎関節症の相談窓口は口腔外科ということになっている。
そこでふだんお付合いのある静岡医療センターにMRIなどの精査を依頼することにした。
それでは、調べてもらってどんな治療をしてもらえるのか。
症状がないと積極的な治療はしてもらえないかもしれない。
それでも、矯正治療を始める前に、一応診てもらっておかなければならない。
そして症状が出てきたら対応してもらためにも、現状を知っておいてもらう。
矯正歯科は形態にこだわる傾向があるか。
顎関節の普通でない形態をみると異常と決めつけてしまうのかもしれない。
どうしても形態がどうであっても症状が無ければよいという感覚になれない。