オーバージェット12ミリというとけっこう厳しい上顎前突となる女子高生の診断を行った。
これで上下顎のバランスが悪い状態なら外科併用ということになろう。
だが骨格的にはやや下顎が小さい程度であまり悪くない。
臼歯咬合関係は両側ともⅡ級でとくに右側はきびしい。
スピーの湾曲はそれなりにあるが、上顎前歯の唇側傾斜が著しい。
この状態なら上顎の片顎抜去で治療可能ではないかと考えた。
オーバージェットは大きいがオトガイは発達しE-ラインを引いても出るのは上唇だけだった。
ずいぶん昔、大学に勤務していた頃、オーバージェット15㍉の患者の配当を受けたことを思い出す。
まだ上顎前突の外科併用はほとんど無かった時代、矯正のみでの治療を行うことになった。
残念ながら治療途中で大学を辞め、患者さんは引き継いでもらい結果はどうなったかはわからない。
今回のケースはオーバージェット12ミリなのでなんとか良い結果を出せるのではないかと期待している。