開咬の矯正治療後の安定は難しい。
今日マルチブラケットを撤去した40代の女性の患者さんは厳しい開咬だった。
10年ほど前の診断で顎関節が吸収している。それが落ち着くのを待った。
そして術前矯正して顎離断手術を行って、術後矯正でほぼ良好な咬合となった。
しかし、保定の間にじりじりと開咬が悪化しほとんど初診時と同じくらいに戻った。
そして再治療を行うことになった。その際、患者さんは再手術を避けたい意向があった。
どこまでできるか不安はあったが希望に添うように矯正治療のみで行った。
アンカースクリューも使わず従来のやり方で1年3カ月、ほどほどの被蓋はついた。
そして、きょう装置を撤去した。最近、手術をしてくれた労災病院の先生に診てもらったそうだ。
外科なしでそこまで咬合がつけられてことを驚いていたということだった。
なんとか良い状態まできたが、これが安定することが難しいことは承知している。
だからといって絶対有効な保定方法も思いつかない。
今後よく観察し開咬の兆候が現われたら、負担の少ないやり方でゴム牽引など続けるしかないかなと思っている。
でも、ここまで治ったのは患者さんの協力の素晴らしさだと思う。
結局、患者さん自身が治していて、我らはそれを少しお手伝いするだけなのだろう。