午前、20代の女性のマルチブラケット撤去を行った。
初診時この患者さんは軽度な叢生で口元はやや出ていた。
治療方針は第一小臼歯抜歯を提案した。
その提案に対し、非抜歯を希望してきた。
口元が出る説明は十分して、歯列の拡大をしていった。
その間、来院のたびに気になって確認していった。
そして半年が過ぎた頃、患者さんから抜歯したいと言ってきた。
たぶん口元が出て、唇が閉じにくくなったのを実感したのだろう。
納得して抜歯をすることになったのだから、それ以上の議論はせず方針を変えた。
でもそうなるとそれまでの治療期間が無駄になっていることになる。
その説明をした上で、それを取り戻し、目標の2年以内を目指すことにした。
そして今日の撤去の日を迎えることとなった。
治療期間は1年10カ月だった。治療方針を抜歯に変えてとすれば早めに終わった方だろう。
結果はやはり口元すっきり、口唇閉鎖値も正常範囲だった。
治療期間もあまり延びず、納得いく形で抜歯ができて良かったと言えるだろう。