鋏状咬合は近頃多くてその治療に苦労することがある。
女子高校生が夏休みに鋏状咬合が主訴で相談に来ている。
軽度な叢生や、口元のことも指摘はしておいた。
診断ではまず鋏状咬合を治しそれから他のことについて相談することにした。
口蓋側へ伸ばしたフックがついたリンガルアーチを装着した。
上顎両側第2大臼歯頰面にブラケットをつける。
咬合面を通過させ口蓋側のフックとパワーチェーンで結ぶ。
このパワーチェ-ン毎月交換して3カ月、きょう診たら改善していた。
こんなに速く改善したのは、萌出してまもなく、まだ下顎としっかり咬合していなかったためだろうか。
いつもはなかなか改善しなくて咬合面にレジンを盛りバイトを一時期挙げたりして対応する。
やはり年齢だろうか、がっちり下顎に咬みこんでしまう前の改善が良さそうだ。
でも、そんな目につかない、咬むのにもそれほど不自由はしない鋏状咬合の早期治療は難しそうだ。
どうしても前歯部の治療と兼ねて行うことになるのかもしれない。
大人の矯正が多くなった今、この治療に手間取ってしまう。