上顎の犬歯が近心傾斜して萌出しようとすると隣接側切歯の歯根を吸収する。
さらに進行して中切歯の歯根を吸収する、そんなケースを何例も見ている。
今日の最初の小学生女子の患者さんははⅠ期治療後観察観察だった。
半年前のレントゲン写真で左上の犬歯が側切歯に近接し重なって写っていた。
歯根吸収を疑い、要経過観察と考えていた。
だから今日はパノラマX線写真を撮影して、半年前の像と比較した。
見てみると、側切歯は吸収されていない。
見えた像は側切歯根戦は近心動き、歯は遠心傾斜している。
その像から犬歯は近接しても吸収せず、押したんだと解釈した。
押されて移動するのも少しは困るが吸収されるよりよい。
どうしてそうなるのか分からないが吸収の進行は避けなければならない。
やはり定期的なパノラマ撮影で観察して、必要なら乳犬歯抜歯や牽引となるのだろう。
原因など研究が進んで欲しいが、現状では定期検査にレントゲン撮影しかないだろう。