昨年3月、9歳で診断した小学生が来院した。
症状は上顎の歯列弓幅径が狭く、両側の第一大臼歯は交叉咬合だった。
加えて鼻の症状がひどく耳鼻科でも治らない状態だった。
その時の診断・治療方針は上顎を急速拡大することだった。
ただ、上顎の両側4ははえていないしDは乳歯根がもう短かった。
そこで上顎4の萌出を待ってララピッドエクスパンジョンを作製する予定だった。
その予定だったが、実際はきょうまで来院がなかった。
今日診てみると上顎両側Eをだけが残り他の乳歯はなかった。
それでは上顎両側4は咬頭が出てきた程度でまだバンドができる状態ではなかった。
交換は早いがもうほぼ永久歯列になっている。
現状でかなり口唇閉鎖もしにくく叢生もあるのでいので抜歯ケースかと思われた。
それを拡大するのかと疑問を感じるようになっていた。
しかし、保護者から鼻のために拡大してくれないと頼まれた。
急速拡大装置は鼻と治療から始まったことを教わったことがあった。
それならと上顎両側4がバンドができるのを待って作ることにした。
昔よく使った装置だが近ごろスクリュープレートでの拡大だけになっている。
鼻への効果を期待したいものだ。