マルチブラケットの治療期間に定期的にパノラマX線写真を撮っている。
目的は歯根吸収を早く知り、なんとか対策を考えるためだ。
それとともに歯根の平行性も知ることができる。
歯根が平行に並んでいない原因としてブラケットの接着位置がある。
午前に撮影した患者さんはマルチブラケットでの治療が半年経過したところだった。
右上側切歯と右下側切歯がひどく遠心傾斜して写っている。
歯冠に写っているブラケットは明らかに歯軸とは違っている。
最初にブラケットを付けるときには歯軸を意識してつけているつもりだ。
しかし叢生があったり、切縁が異常に咬耗していたりするとつける方向が惑わされる。
そんな中でつけたブラケットが、レントゲン像で見ると「あれ」ということになる。
位置が悪ければ簡単に付け直すことができるから早く知って対応する。
定期的なレントゲン写真撮影で歯根吸収がなくなるわけではない。
だが、終了時の写真だけ撮影してがっかりすることはなくなった。
また、時々ブラケットを付け直すのでひどく歯根が平行でないケースも少なくなった。
CT以外の歯科用レントゲンの被爆はあまり問題にならないと聞いている。
得られる情報を有効に使って矯正治療を進めたい。