今日の診断に患者さんは20代の女性。
初診時に顎変形症ではないかとの相談も受けていた。
顎変形症の治療というととても矯正治療だけで治せない咬合の骨格(下顎・上顎)手術により改善する。
そのように考えていたので咬合を見て「違いますね」と答えていた。
診断のためにセファロを見ると下顎下縁が大きくずれて二重に写っている。
パノラマを見ると左の関節頭に吸収像がある。
また左右の下顎枝の長さが明らかに違う。
これだけ違ったら、顔貌や咬合に大きな影響を与えるだろうと考えてしまう。
たしかに顔貌は下顎角の左右の高さが違う。そのため左右対称とは言えない。
でも、それほどひどくゆがんでいるようにも見えない。
また歯列咬合は通常の1級叢生で上下顎前突の口元をしている。
咬合平面は正貌、左右の目の高さ、口角を結んだ線と比較しても歪んでいるように見えない。
あの下顎枝の左右差はいったいどこで代償されているのだろうか。
今日はセファロの正面を撮影して、その解明をしようとしている。
それでも明らかに左右差はある。そんな条件で通常の矯正治療をしてどうなるのか。
大きく悪い変化はないだろうと通常の矯正治療を開始することにした。