今日診断した成人女性のケースの特徴は、骨格的には下顎の後方回転を伴う、上下顎前突だった。
臼歯の咬合関係は両側とも正常なため、難しい治療とは思わない。しかし個々の歯がとても大きい。分析表ではいずれも2SD以上大きい。
そのために上下顎前突と叢生が発現していると考えている。
しかも歯冠の形態が長方形のようであれば、まだよいが三角形に近いような形態をしている。これでは仕上がった時、歯肉の退縮が目立ち、おおきなブラックとトライアングルとなってしまいそうだ。
このブラックトライアングルはなかなか治せないので、起こってしまう前に説明して理解を求めておかないとトラブルになる可能性がある。
治療方針だが上下顎前突なので上下左右の第一小臼歯抜歯だが、下顎には水平埋伏智歯がある、上顎に智歯はある。
私は8本抜かなければ矯正治療を始めないと言う方ではない。なのに案外若い女性は勇気があるのか、「抜いてきます」と言った。
智歯を抜くことは矯正治療開始の絶対の条件ではないので依頼書は小臼歯のみの抜歯しておいた。