今日は先月マルチブラケットをはずした14歳女子の患者の経過報告と今後の注意(これを保定診断と呼んでいる)を行った。
症例としては、ごく普通の叢生の治療だったが、治療のために抜歯は必要でだった。
この患者には当院で治療した姉がいる。この姉は初診時9歳、混合歯列期で、上顎前突であった。そして、母親が抜歯をすることに抵抗があったので、永久歯に全部交換する前にプレートを使って、下顎の前方移動を行った。
その結果、永久歯列になって、模型上では上顎前突は改善したが、口唇閉鎖はしにくく、口元も出ていた。
母親が口元の改善を望んだので相談の上、永久歯列で小臼歯抜歯による治療を行った。
結果は良好な咬合だけでなく、プロファイル(横顔)が得られて満足されて様だ。
私にすれば、抜歯すれば当然それなりの結果を出せると思うし、また出さなくてはならないと思っていた。
姉でこういう結果を出しておくと、妹の時には、抜歯は全く話題にならなかった。
矯正治療の抜歯について抵抗があるのはもちろん理解できる。しかし抜歯をしなければうまくいかないケースも確かにある。よく相談の上、矯正治療のための抜歯を理解してほしい。