今日、保定期間が10年(120か月)たった患者さんが来院した。
初診時年齢44歳の女性で、症状は上下顎前突で叢生が少し、補綴物が大変多かったため、変則的な抜歯を行って1年10カ月で動的治療を終えた。
その後紹介元の歯科医院で矯正治療後の新しい咬合での補綴や修復の再製作が行われた。
それに伴ってクリアリテーナーも再製作して長期にわたって夜間使用していただいている。
10年経った今日も歯列咬合はよく安定して口元の改善も維持されていた。口腔衛生も良好でPMTCでは仕上げを行うだけで済んだ。
歯周組織もレントゲンで確認したわけではないが、良好であると診た。
初診時は年齢も高いし(当時の矯正患者はまだ若い人が中心だった)、補綴は多いし、治療を行ってもどれだけの意味があるのだろうかなど思っていた。
しかし意欲的な患者さんに押されながら治療を進めていたようなことを思いだす。
保定10年経った今は、はっきりと治療を行ったことは良かったことだと自信が持てた。
今後、年齢の高い患者の矯正治療も増えることだろう。その初診時相談の参考例になることだろう。