今朝、急患の電話が入った。上顎にマルチブラケットを装着しているが、右上でバキンと音がして装置が壊れてらしいという。
午後になり、早速見てみると右上5-6番間でワイヤーが折れている。前回にもワイヤーが折れていた。
折れやすいのはチタンワイヤーの性質にもよるだろう。チタンワイヤーは歯列のステップあってもスロットに押し込むことが容易だ。その部に咬合力が何度もかかると、金属疲労を起こして折れてしまう。
そのことは歯にも負担がかかっている。右上5番は少し動揺していた。しかしワイヤーは続けて入れなければならないので、そんな時にはステンレススチィールに換える。
今日のケースのように急患で来てくれればよいが、気づかずに次回治療まで折れたままのこともよくある。
そうなっていると歯の負担はなくなるが、歯の動きが止まってしまう。これも能率が悪い。
やはり折れにくい材料を使えるように材料を工夫してもらうことと、様々な材料を適材適所に使うことがトラブルを避けることにつながるであろう。