初診は2003年8歳の女子できびしい上顎前突だった。しかも抜歯したくないとの希望だった。
そんなことはとても無理なことだと思ったが、混合歯列期にプレートで側方拡大したり、下顎の前方誘導したりした。
結局協力も悪く、Ⅰ期治療は断念してⅡ期治療を待つことになった。
その間に、やはり厳しい上顎前突の患者の兄の治療を行った。そのケースでは上顎のみの小臼歯抜歯とアンカースクリューを利用してのマルチブラケット治療を行った。仕上がりは良好な咬合と口元(プロファイル)となり満足していただいた。
その結果、その家族で矯正での抜歯ということを理解していただいた。
兄の後、妹も高校生となり治療の時期となった。再診断時に上顎左右第一小臼歯、下顎左右第二小臼歯の抜歯により治療を提案した。そしたら、抜歯には抵抗はなく、外科併用を告げられるのではないかと心配していたと言っていた。
治療開始後、2年近くが経ち、ほどほどには治ってきた。当院では治療期間の目安を2年にしている。早く装置をはずしたいかいか、もっと前歯を後退させたいかと尋ねた。
結果、期間が延びてもよりよく治したいということになり、前歯部圧下のためのアンカースクリューを植立して治療を続けた。
そして約半年、やっと今日装置撤去となった。結局2年4カ月かかった。今度は非常に協力が良かった。
当院の治療としては長い方だったが、あれだけのケースを今日の仕上がりまで導いたとすれば、決して長くはないのかもしれない。
これから保定で診ていくと初診からは10年を超える。矯正治療は長い。