今日は33歳男性の保定1ヵ月後の検診をした。
この患者さんは2年ほど前、今までに見たこともない、シビアの顎変形症として診断治療を開始した。(前のブログに書いている)。
術前矯正1年4ヶ月、術後矯正は半年で1ヶ月前に、良好な咬合となったので、マルチブラケット装置を撤去して保定装置にかえた。
今日の検診では、先月よりかみ合わせが浅くなり、下顎の前歯が上顎の前歯を突き上げていて、右上中切歯が多少動揺していた。
やはり戻る傾向はある、あれだけの反対咬合が安定するのは難しいだろうと思っていた。
さらに、下顎が後退したためか舌が口の課課からあふれている感じがする。このことも歯列咬合の安定に心配な要素である。
検診、PMTCのあと相談コーナーで今までの模型や写真をみせて動的治療を振り返ってみた。
びっくりするようにひどい咬合の模型や写真がでてくる。
しかし、患者さんはそれを見ても「前はそんなだったんだ」ともう前の咬合は忘れている。「ほとんど噛んでないですね」などと他人事のように言う。
私は「こんなに大きな変化があったのに(良くなったのに)」その変化がわからないのかなあ。とちょっとがっかりする。
しかし、それでいいのかもしれない。患者さんが前のことは忘れ、現状に満足をしていて特に何も感じていない、そのことを治療した我々の喜びとすればいいのだろう。