昨年7月が初診の31歳男性、主訴は上顎前歯の叢生だが下顎が3incisorとなっている。
その上、上顎両側側切歯は失活している。
診断時にはいろいろとセットアップモデルを作製して相談した。
その結果、抜歯はしないで、上顎は側方拡大、不足分は両側側切歯の幅径をすこし削って少なくする。
そしてオーバージェットが残ることを容認する方針で始まった。
上顎側方拡大にはポーターを使用した。しかし年齢が高いのためか、拡大に6ヶ月もかかってしまった。
そして上顎にマルチブラケットを装着して、叢生の改善を図った。
結果、側切歯はまだ削っていないが上顎前歯の叢生は解消した、しかしオーバージェットは出てきて、臼歯部では下顎と幅径が合わない。
下顎歯列はきれいに並んでいたため、下顎には必要ならば装置をつけましょうといってきた。
そこで今日は次の治療方針を決めるための簡単な資料を採った。
そしてセットアップ模型を再度作製して患者さんと相談してみることにした。
下顎にも装置を付けて、最初の方針のようにすることが良いだろうと考えているが、術者のみの感覚を押し付けるわけにもいかないと思う。
よく相談して、納得のいく方針で今後進めていきたいと思う。このようなステップを踏んでいけば無用なトラブルを避けることができるのではないかと思う。
術者としては
理想は目指したいが、その方針でいけるかどうかよく説明してみよう。