今日は2人リテーナー使用不十分で合わなくなってしまった患者さんを診た。
その共通点と疑問点について検討してみたい。
共通点は二十歳ちょっと前の女性、高校の前半がマルチブラケットによる治療、後半からクリアリテーナーによる保定に入った。
どちらも保定が2年近くなっていた。 保定前の動的治療時では治療に対してよく協力し、仕上がりも良く保定に入ってからも安定していて、カルテには「良好」と書かれていた。
リテーナーがかなり合わないため使わなかったかと聞くと、時々使わなかったという。これまた同じような返答だ。
あれだけあわないのは、ほとんど使わなかったと言ったほうがいい状態だろう また通院が半年リコールという点も共通だった。
次には、なぜ使わなくなってしまったのだろうか?という疑問がわく。
私はリテーナー夜間使用に切り替える時の説明に夜寝る前に歯磨きをするでしょう、その時、その横に置いてあるリテーナーをつけて寝てくださいという。
2人とも歯磨き習慣は良好で寝る前も歯磨きは行っているのに。
疑問点は、あれだけよく治療に協力してきた人がなぜ今こうなってしまったのか?
もうひとつ、寝る前に虫歯予防のための歯磨きを行っていても、その横にある矯正治療の戻り予防のリテーナーを付けないのはなぜか?
私が反省することとすれば、「いい状態だね」と正直に言ってしまうことだろうか。
だから、いつも戻りに対しての不安をあたえていることが必要なことのかもしれない。