午後に治療開始sカ月が過ぎた31歳女性が来院した。
その患者さんは、上下顎にかなりひどい叢生であった。
当院ではリンガルアーチ(またはアンカースクリュー)を固定源に最初に犬歯を遠心移動してしまう。
そして犬歯を1カ月遠心に引いたが、最初の1カ月は「何も歯が動いていない」と心配そうに言っていた。
しかし2カ月、3カ月と犬歯をパワーチェーンで引き続けた、今日で3カ月余り、犬歯の遠心移動は完全に終了し、第一小臼歯の抜歯空隙はなくなり、前歯部には隙間が散らばり、捻転もある程度改善していた。
私は、大人にしては動きが速いなという程度に感じていたが、患者さんはとても驚き、喜んでいた。
私たち矯正に携わっているものは叢生が強くても、臼歯関係が良かったり、口元が出ていなければ、難しいとは思思っていない。むしろ抜歯空隙の閉鎖に期間がかからないだけ早く仕上げることができると思っている。
だが患者さんは叢生ひどいほうが難しいと考えているようだ。
その患者さんには犬歯の遠心移動が終了したのでフブラケットを全歯につけた。
そうすればたちまち捻転や残りの空隙はなくなるだろう。
そこらまでいくと「早くはずしてくれ」が始まるのではないかと心配しているが、その期待にもこたえられるように治療を進めていきたいと思っている。