毎日の診療で気付いたこと

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成長を観察して

初診は2003年、当時6歳の男の子。

カルテに貼ってある写真の顔面写真は中顔面部の陥凹、口腔内写真は乳歯列だが、マイナスのオーバージェットが大きい。見るからに外科ケースだ。

だが、その当時はまだ骨格の成長に対して何とかしようと考えていたたのだろう。

上顎前方牽引装置をセットしている。でも使った期間は10か月程度だった。

被蓋改善したのでやめているようだ。

その後はずっとはえ変わりと成長の観察を半年ごとに診ていった。

そして、今春から高校入学、いくら男子でも成長には目途がついてきている。

加えて、10年間の成長の観察がある。

現在の咬合は軽度の叢生があるだけだ。それを非抜歯で並べれば終了できそうだ。

しかし、静岡市に転居してしまった。静岡とここ沼津は電車で一時間、通えな距離ではないので、今後どうするかを今日相談した。

結果、岡での治療を希望したので、親しい先輩の府川先生のところに依頼することにした。

振り返ると「6歳の時に上顎前方牽引装置で被蓋改善しておいたことが、その後の成長に良い影響を及ぼした。」と考える。あの診断は正しかった。などと言ってはいけないと思う。

何の根拠もない。ただの偶然かもしれない。今はエビデンスの基づいた治療が求められている。

それが一番良いことだと思うが、それがはっきりしないときには、長年の経験に基づく勘も大切なのかもしれない。

治療について

 

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