昨日の新患相談で、アメリカで治療を受けた女子高生が来院した。
アメリカで小さいころから治療を受けて、持ってきたカルテを見ると3年前に動的治療を終えている。
保定装置は上顎は側切歯間を、下顎は犬歯間の舌面にツイストワイヤーがボンディングされていた。
加えてクリアリテーナーも与えられてようだ。しかし1年ほど前から使っていない。
相談内容は近くの一般歯科医から、固定式リテーナーをはずしてよいかどうか聞いてくるようにとのことだった。
動的治療を終えた写真と現在をを見るとオーバーバイトは小さくなり、下顎も右への偏位がみられ右側臼歯は交叉咬合になっていた。
しかし、前歯部には上下顎とも叢生も空隙もない。
私は固定式リテーナーはあまり使わないので、経験的には言えないが、一般的には数年つけて、壊れり、患者さんの希望などではずすものと理解している。
今回は、一般歯科の先生から下顎前歯に歯石がたまるから、できればはずせないかとのことだった。
初診時の資料はなかったが、問診で反対咬合であり、上顎に正中離開があったそうだ。
それから考えると上顎は残しておかないと空隙が出てくる可能性がある。
下顎前歯部には叢生はなかったようだし、現在上顎前歯に抑えられている様子がないので、はずしても問題は起きにくいと考えた。
その結果、下顎の固定式リテーナーのみはずしてもらうようにアドバイスした。
自分の治療ではないが、固定式リテーナーについて考える機会があってよかった。
今後、固定式リテーナーをセットするときの参考になると思った。