初診は2010年10月、9歳女子(現在12歳)で左上中切歯が唇側傾斜が気になり来院している。
その患者さんと母親とともに今後の治療についての相談をした。
検査診断後、拡大床を装着し上顎歯列の側方拡大を行い、唇側線を調整して、数か月で良好な状態となった。下顎も同時に拡大していった。
これで永久歯列までプレートを保定として使い、治療が終えられるかと思っていた時期もあった。
しかし、プレートの使用が悪くなり、当然、後戻りがみられるようになった。
そして3か月前だが、使用が悪く不適合なため、使用を中止して観察とした。
その時点では上顎の両側第2乳臼歯のみ永久歯に交換していなかった。
だから、その交換を待ってマルチブラケットで治療すればよいと考えてのことだった。
しかし、その説明が不十分だったようで、今日、説明を求められた。
患者さんはプレートを使用していた時期は良く治っていたこと、戻りの防止のためプレートの長期使用は必要なことは理解していた。
それでも再度プレートを作り直したほうがよいのではないかとという意見であった。
しかし、今までの経過から、協力は得にくいと考えて、マルチブラケット装着まで待つことを勧めた。
話す前には何を追及されるか少し心配したりしたが、模型や写真をみながら、十分に意見も聞きながら話したら理解していただけ、永久歯にはえ変わるまで待つことになった。
3ヶ月前に患者さんの立場になって十分な説明をするべきだったと感じた。