今年になって矯正治療を始めた60才女性、上顎に6本、下顎臼歯部に左右2本ずつの補綴のインプラントが埋め込んである。
主訴は下顎前歯の唇側傾斜による反対咬合だった。
ちょっと心配でもあったが、治療への希望が強かったのでお引き受けした。
レべリングが終えて、いよいよclassⅢのゴムを引く段階が来た。
上顎はすべて補綴されている。そこでレジンの付く熱可塑性のシートで上顎歯列を覆うスプリントを作製した。
そこの臼歯頬側にボタンをつけてゴムがかかるようにした。
一昨日からゴムをかけてもらっている。
しかし、そのような口腔内の状況なので心配がある。今日スタッフに電話して様子を聞いてみようと指示していたところだった。
そこへ突然、その患者さんが現れて大変驚いた。
何か問題が起きたかと心配したが、スプリントが緩んではずれてしまうとのことだった。
それは調整して、心配だった下顎前歯の動揺をチェックしてみたが少し改善傾向がみられて心配するようなことにはなっていなかった。
こちらの心配していた気持ちが伝わったようなできごとだった。