今年より矯正治療を始めた11歳男子が来院した。
症例の特徴は上顎幅径が狭く、下顎の叢生がある、
抜歯、非抜歯が治療方針で重要なことになる。
もちろん、その説明は十分にした。お任せするとは言われたものの、何とか非抜歯でできないものかと考えた。
口元が気になったら抜歯に切り替えましょう、半年もする非抜歯に口元がはっきりしてくる。そこで切り替えれば治療期間の延期は少なくて済むとして始める。
治療は上下顎側方拡大してできるだけ前歯を前に出さないように努めた。
その間にも、毎回の治療後には口元はとき気になりませんかと時々聞いた。
その時は特に気になるという返事はなかったが、今日診たときには私が気になるようになってきて、「抜歯を検討してみてください」というような言い方となった。
現在の口元で了解が得られれば、残りの叢生や、少なくなってきたオーバージェットを改善した歯短期間での終了とする。
このような半年間、非抜歯でやってみるというやり方を頻繁にやているわけではない。
これは抜歯への抵抗と口元の出具合への感覚を実際に納得できるやり方だと思っている。
そして困った時とる方法で結果は抜歯半分、非抜歯半分というところだろうか。
でも、非抜歯で終わった患者さんが保定で観察に来ると、この結果ででよかったのかなと毎回思ってしまう。
しかし患者さんが納得して不満がないのだから、良いということなのだろう。