先日、タングクリブ、パラタルバー付きのリンガルアーチをセットした20歳女性の患者さんが来院した。
装置ははずれ、大きく変形していた。聞いてみると装着1週間ほどではずれてという。
その間、発音や嚥下、唾液が垂れるとう不都合があったと言っていた。
おそらく、苦しくて、いじっていて外してしまったものと思う。
そんなに苦しませてしまって申し訳なく思う一方で、これからどう治療していけばよいのか、はたして治療できるのかと考えてしまった。
症例は、開口、歯根吸収で短くなっている歯もあるので難しい。湘南矯正歯科研究会でも治療方針を検討してもらったケースだ。
その装置を使わなくても治療方法がないとは思わない。しかしどれも楽ではない。
筋機能訓練を行うか、アンカースクリュー植立するか、湘南矯正では外科併用の話も出た。いずらもすぐに了解を得られたり、成功するとも限らない。
それならば治療中止も考えられるが、長い間考えて、再治療を決断したケースなのでそれまた、すぐやめるわけにもいかない。
確かに苦しい装置だと思うが、多くの方は1週間以内で慣れてくれるものなので、なんとかつけてもらえないかと思っている。
しかし、人それぞれ感覚が違うので、一般論を押し付けるわけにもいかない。
次回来院時に再度相談するが、どうなるか。