今日の初診相談は14歳女子、主訴は上顎の叢生と出っ歯だが、下顎前歯が2本しかない。
歯の退化傾向だと思われるが、先天欠如があらわれる部位がいくつかある。
上顎側切歯、下顎前歯、下顎小臼歯、上顎第2大臼歯などだ。智歯はあってもなくても正常とみなされる。
その下顎前歯が4本あるべきものが3本しかない、3incisorと呼ばれり歯列は時々みかけていた。
しかし、さらに1本減った、2incisor(学術的に言われているのかどうか知らない)を見かける頻度が高くなってきたような気がする。
ちょっと考えただけでも当院で先日治療が終わった患者さん2人、現在治療の患者さんにもいる。
私の知っている30年くらいで反対咬合の治療が激減したように、人類の進化、退化がこんな短期間に現れるものだろうか。
統計的には大学の先生に任すとして臨床医として日々の診療で感じたことだ。
しかし、治療となると歯列の歯の数が奇数となる3incisorより、偶数になる2incisorのほうが治療は容易と思われる。歯列は左右対称だから。
こういう症例はたいてい上顎前突になるので、上顎の小臼歯を左右抜くと調和がとれて良い治療結果を得ることが多い。