マルチブラケットで1年近く治療していく17歳の男子高校生が来院した。
初診時での治療計画でも上下顎の叢生はひどく、オーバージェットもかなりあり難しい症例とみて、治療の限界を説明して開始した。
現在、叢生はなくなり、下顎のスペースもほぼなくなった。
上顎は左側はスペースがまだあり、1級関係なので改善の見込みがあるが、右側は完全なⅡ旧関係でスペースもない。
そこで何とか上顎臼歯部の遠心移動を図りたいのだが、ふつうにはえた智歯が存在する。
私は智歯だからすぐ抜歯という考えはないが、この場合はどうしても抜歯が必要と考えた。
抜歯して治療しても、これから期間がかかるが、決断が遅れるよるはよいと思い抜歯依頼をした。
治療の初期段階でその智歯を抜歯し、早期に遠心移動していればより良いと今となれば思える。
だが、最初の診断で最善の計画ができるとは限らない。治療の流れの中で毎回考えて良い方向に修正することも必要であろう。
今後、初期の目標のように治療期間2年を目指して進めていきたい。