今年の春頃より、日本臨床矯正歯科医会の社会医療委員会の発行する矯正歯科何でも相談白書をスタッフとともに読み出した。
朝の打ち合わせの5分から10分位の間に少しずつ音読していった。
その本は昨年度にあった全国の矯正歯科に関する相談を事実に即してまとめた本だ。
スタッフと読み始めた目的は、同じような相談(苦情)を受ける可能性はある。
その時、社会医療委員会ではどのような回答をしているかを知るためだった。
そればかりではない、どのような苦情が世間にあるのか知ることも大事だと考えた。
やはり、多いのは転医の問題だった。
患者さんが住まいが変わり通院できなくなっての通常の転医もあったが、トラブルによる転医の相談も多くあった。
また、担当医が死亡したため、転医せざるを得ないが、治療の継続や料金(返金)の問題もあった。
その患者さんからの苦情も同情できるものもあるが、そうでもないものも多々あった。
社会医療委員会の回答はよく考えられた矯正治療の常識でよいとは思う。
しかし最後は「祈る」ばかりで、より具体的な回答を求める相談者には役に立っていないのではないかと思った。
今日、250ページ以上の本をスタッフと一緒に読み終えたことは、達成感はある。
これから当クリニックでトラブルがないことを願うが、起こりそうな時などにはきっと役に立つのではないかと思っている。