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経過観察の埋伏歯

2007年が初診の29才の女性が来院した。

この患者さんは右下第2乳臼歯が残存し、第2小臼歯が深い位置に埋伏していた。

まずは経過観察から始まった。1年、2年とパノラマレントゲンを撮影を行った。

ほとんど動きもなく濾胞性歯嚢胞にもなっていない。

そのまま観察していったら5年目に変化が起きた。

遠心に向かい隣の第一大臼歯の近心根に近づいてきた。

これはどうしたものかと静岡医療センターに依頼してCT撮影行い、診断も求めた。

埋伏歯の抜歯は結構難しそうだし第一大臼歯根を傷つけるかもしれない。

第2乳臼歯を抜歯して開窓して第2小臼歯を萌出させるのも深くて困難だ。

母親も含めている色々と検討したが結局また観察となった。

その後、年に1度レントゲン観察をしている。

今日の写真では昨年とほとんど変わっていない。

第一大臼歯の近心根をわずかに吸収しているようだがそれ以上の悪化はない。

また残存の第2乳臼歯もまだ根が長くしばらくは使えそうだ。

この例では積極的な抜歯や開窓を行わず観察のみ続けてきた。

今後どうなるかは分からないが、このまま観察でも良いのではないかと思う。

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