10代前半の男子の矯正診断を行った。
乳歯はまだ下顎に四本、上顎に一本残存していた。
上顎前突傾向の過蓋咬合なので残存乳歯交換の間でもバイト挙げるプレート装着を提案をした。
そのことは特別に珍しいことではないが、その時に見たパノラマX線写真で心配な像があった。
下顎両側第一大臼歯の遠心には未萌出の第二大臼歯が存在する。
左右とも未萌出の歯冠が第一大臼歯遠心歯頚部に迫っている。
それが、右は角度が悪くなく第一大臼歯遠心面に沿って出て来そうだった。
しかし、左側はやや近心傾斜しており、遠心面に沿って出てくるか、近心傾斜埋伏してしまうかギリギリに見えた。
さらに悪いことにその遠心には智歯の歯胚が見える。
まだ、石灰化もあまり進んでいないが確実のにある。
もし、第二大臼歯が近心傾斜してしまうとその上に智歯がのしかかってしまう。
そんな症例を何例か見ている。その状態になって治すのはなかなか大変だ。
だが、それに対して今、現在特にすべき処置は無いと思う。
半年から1年程度でX線写真撮影を行い、今日の写真と比較するしかない。
近心傾斜の傾向がはっきりしたら、智歯を早期に抜歯して第二大臼歯を起こしていくことになるだろう。
なるべくそんな処置にならないように、うまく萌出してくることを願っている。