外科手術1年後の18歳の大学生検診に来院した。
その患者さんは今年1月にマルチブラケットを撤去した。
上下顎前歯に固定式リテーナー、それを被うようにクリアリテーナーを装着した。
遠距離の大学に行ったため、夏休みまで来院出来なかった。
今日診ると固定式リテーナーはついていない、クリアリテーナーは持ってこない。
クリアリテーナーの使用状況を聞くと上顎は使っていないという。
それだけ聞くと、どれだけひどい歯列咬合になっているか、とても心配する。
診てみると、とても良く安定している。
小臼歯抜歯を行った上顎の抜歯部位のスペースは空いてこない。
空隙歯列を閉鎖した下顎もスペースが出てこない。
通常、外科ケースではよくある臼歯部のオープンバイトも出てこない。
これでは何のためにリテーナーを作製したのか分からなくなる。
結果が良いので「よかったね」で終わりにしたが、戻っていたら厳しく注意するところだった。
しかし、口腔清掃はとても悪かったのでそのことは指摘指導した。
矯正治療の術後安定はどこのあるのかさっぱり分からない。
こんな偶然を、治療がうまかったからだと評価もらえれば嬉しいが、やはり理由は分からない。