女子中学生でⅠ級叢生で上顎の犬歯の低位唇側転位(八重歯)が目立った。
しかし下顎には叢生がほとんどなく並んでいた。
しかし、口唇閉鎖不全が著しく、口元もやや出ていた。
臼歯咬合関係は両側ともⅡ級のため、抜歯部位を上顎左右第一小臼歯、下顎左右第2小臼歯とした。
その旨書いた診断の説明書と抜歯の依頼書を先週に渡してあった。
患者さんの住まいの近くの一般歯科医院に抜歯依頼したのだが、そこから電話がかかってきた。
依頼書は4本となっているが、患者さんは2本(母親)と言っている。どうなんですかと。
カルテを見ても4本で間違えない。
しかし電話でそのことを言っても患者さんも抜歯する先生もすっきりしないのではないかと。
抜歯して治療することは矯正治療にとって大事な診断だ。
それが正確に伝わらないとトラブルの元となる。
そこでその抜歯は中止していただき、再度、診断(抜歯部位の説明)をすることにした。
ちょうど今日の午後キャンセルがあり、そこで説明の時間が取れた。
口唇閉鎖不全と臼歯Ⅱ級咬合関係を説明して4本抜歯に理解いただけた。
そしてその理解に基づき抜歯部位は変えないで日付だけ変えて依頼書を書き直した。
今回のことは患者さんが勘違いしたといってしまえばそれまでだ。
だが勘違いを起こさないような十分な説明をしなければいけないとも感じた一件だった。