
手術に送り出して1カ月余り経っていた。
待合室で、待っている人はいるが誰かなと思っていた。
ユニットに座っている姿では分かったが、顔はだいぶ変わっている。
ドルフィンのシミュレーションで上顎をどの程度出すか、外科の先生と検討した患者さんだ。
すこし前に出し過ぎかとも思われたが、その数値でスプリントをつくった。
顔貌をよく見ると上顎の出具合はいい感じだった。
オトガイ形成はまだしていないのでオトガイが出ているのは否めないが下顎もほどよい。
口腔内を見ると正中一致で前歯部はしっかりと咬んでいた。
両側臼歯部は咬んでいなかった。でもこの程度なら術後矯正で治りそうだ。
口は術後1カ月とは思えないほど大きく開けることができた。
そのためワイヤー交換も容易で両側アップアンドダウンゴムをかけることにした。
術後矯正を数ヶ月続け、オトガイ形成をすれば、さらにいい感じになりそうだ。
この症例でもドルフィン役だった。これを使いこなして、外科症例をうまく仕上げていきたい。
治療について